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1997 年度 実績報告書

ウイグル文字表記された唐・宋・元代の漢語に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08610528
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

庄垣内 正弘  京都大学, 文学研究科, 教授 (60025088)

研究分担者 藤代 節  神戸市看護大学, 看護学部, 助教授 (30249940)
キーワードロシア所蔵ウイグル文献 / ベルリン所蔵ウイグル文献 / ウイグル文字表記 / ウイグル漢字音 / 漢語西北方言 / 入阿毘磨論 / 唐代未から宋初
研究概要

ロシア科学アカデミー東方学研究所サンクトペテルブルグ支所の保管するウイグル文字表記漢文断片中の8葉についての研究は既に平成7年に提出した。そして4葉については本年発表した。ロシアには、この種の断片がさらに2葉保管されている。この2葉の内容同定はむずかしく、現在の段階ではいかなる仏典に所属するものかわからない。しかし、ウイグル文字表記の形式から判断した結果、およそ80%の語については対応漢字が同定できた。また、ベルリン所蔵のウイグル文献中には、30ページに及ぶ冊子本の形態で、やはりウイグル文字で書かれた長行の漢文写本が存在する。幸いなことにベルリン科学アカデミーの厚意により、この文献の複製写真を入手することができ、その研究も許可された。内容は複数の仏典が結合された構成からなり、同定は困難を極める。現在のところ、その一部についてのみ「入阿毘達磨論」であることが判明した。この部分のウイグル文字表記と漢字との同定も終わった。本年度同定できた漢字の漢語音はやはり、唐代未から宋初にかけての時代の漢語西北方言を基礎にして作られたいわゆる「ウイグル漢字音」に所属するものである。これらウイグル文字表記形式と漢字との対応リストを作り、「ウイグル漢字音」体系の再構の準備を進めている。
来年度は、ベルリン所蔵の写本の全内容の同定と、ウイグル文字表記形式と漢字の完全な同定を終え、「ウイグル漢字音」についての総合的な記述をおこないたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 庄垣内正弘: "ウイグル文字音写された漢文仏典断片について(続)" 西南アジア研究. 46号. 1-31 (1997)

  • [文献書誌] 庄垣内正弘: "Three Fragments of Uighur Agama" Yearbook of Turkic Studies. 1997年号. (1998)

  • [文献書誌] 藤代 節: "アク-ト語語彙研究(3)動植物名称" 学術情報センター紀要. 10. 53-72 (1998)

  • [文献書誌] 庄垣内正弘・藤代節: "ウイグル文Dasakarmapathavadonamoloの研究" 松香堂, 329 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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