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1998 年度 実績報告書

ウイグル文字表記された唐・宋・元代の漢語に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08610528
研究機関京都大学

研究代表者

庄垣内 正弘  京都大学, 文学研究科, 教授 (60025088)

研究分担者 藤代 節  神戸市看護大学, 看護学部, 助教授 (30249940)
キーワードロシア所蔵 / ウイグル文字表記漢文 / 漢字音 / 西北漢語音 / ウイグル漢字音 / 元朝時代 / 漢文訓読
研究概要

一昨年来続行している、ロシア科学アカデミー東方学研究所蔵のウイグル文字表記漢語・漢文についての研究は予定どおり終了した。昨年までに同定できた内容は「聖妙吉祥真実名経」「四分律比丘戒本」「黄昏礼懺」の3仏典であった。本年度は「千字文」の同定ができた。ほかに数葉の断片が内容の同定できないまま残されているが、ウイグル文字表記から、80%程度の漢字の同定はできた。さらにベルリン所蔵のやはりウイグル文字表記された漢文冊子の中に「入阿毘達磨論」の含まれていることもわかった。これまでに内容の同定されたものについてはウイグル文字表記と漢字との対照表を作った。そしてそれに語レベルで同定できたものを加えて、ウイグル文字表記から漢語音の音韻的記述をおこなった。その結果、元朝時代にウイグル人によって使用された漢語音というのは実は「ウイグル漢字音」と呼べるもので、唐末ころの西北漢語音を基礎としてつくられたことがわかった。ウイグル漢字音はこの西北漢語音をかなりウイグル語音化したもので、その音をもって漢文の内容を直下に理解することは不可能であったと考えられる。ウイグル人は一方で漢文訓読を発展させていたので漢文の内容理解にはむしろ訓読をもって行っていたと推定できる。しかし元朝時代のウイグル人のこのような漢字の使用は仏僧に限られていたにちがいない。ウイグル仏僧は漢文を「ウイグル漢字音」でもって朗読し、訓読によって内容を理解したと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 庄垣内正弘: "ウイグル文字音写された漢語仏典断片について" 西南アジア研究. No.46. 1-31 (1997)

  • [文献書誌] SHOGAITO Masahiro: "Uyghur fragments of the Qian-zi-wen" Turkic Languages. 6(発表予定). (1999)

  • [文献書誌] 庄垣内正弘: "ウイグル人と漢字" 三蔵法師・玄奘のシルクロード. 発表予定. (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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