研究課題/領域番号 |
08610532
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
名波 弘彰 筑波大学, 文芸・言語学系, 教授 (10134181)
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研究分担者 |
今橋 映子 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (20250996)
荒木 正純 筑波大学, 文芸・言語学系, 教授 (80015883)
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キーワード | ポストコロニアリズム / アジア / 都市 / 表象 / 満州 / 朝鮮 / 植民地 / 東京 |
研究概要 |
今年度は、個別研究の深化と、研究会の開催を主要な活動とした。 個別研究として、それぞれ資料収集と分析を進めている。そのなかで、上海における中国・イギリス間の翻訳語の成立から、その日本への移入までを視野に収めた李征「中国・日本の近代における<文学>という翻訳語の成立」(九七年度比較文学会春季大会で発表)などの成果が出てきている。 研究会は、院生も参加し、前半は月一回、後半は二週間に一、二度のペースで開催した。それぞれ、テーマに関する個別発表を行い、その後全員で討議を加えている。「引揚げ者」という視点から安部公房の小説・写真テクストにおける都市表象の問題を論じた波潟剛「挿絵・公文書・写真--安部公房小説に挿入されるテクストー-」、対ロシア強行派と反戦主義との狭間で揺れ動いた二葉亭四迷のナショナリティのようすを追った鄭炳浩「二葉亭四迷のナショナリズムのありよう」、日清戦争後における自国と外国へのまなざしを雑誌の写真挿画の分析から跡づけた日比嘉高「創刊期『太陽』の写真挿図」などの発表がなされた。 また三月四日には、九七年度シンポジウム「翻訳と植民地」を、李征、斉藤愛、斉藤一による発表、宮本陽一郎司会で行なった。 来年秋をめどに論集の刊行を目指している。引き続き個別発表を行ってゆくとともに、成果をレポート化し合評を加えた上、順次論文化してゆきたい。
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