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1997 年度 実績報告書

立憲政の比較法文化史的研究-ロシアと西洋における主権と所有権

研究課題

研究課題/領域番号 08620015
研究種目

基盤研究(C)

研究機関静岡大学

研究代表者

大江 泰一郎  静岡大学, 人文学部, 教授 (00097221)

キーワード法文化 / ロシア / 社会主義 / 帝国 / 外国法の継受 / 主権 / 所有権 / 立憲主義
研究概要

ロシアと西洋との法文化(史)の比較という点で、とくに西洋について以下の新たな知見を得た:
1.近代的な「主観と所有権」というダイコトミ-のとくに歴史的な直接の起点が中世盛期のHerrschaft (=dominium)にあること。この点はオット-・フォン・ギ-ルケ以来の中世法思想研究、とくに英米における法思想史研究の成果に即して明らかにされるべきである。
2.このHerrschaftが西洋においてはわが国におけるシャテルニ-細胞論が説くように裁判権(jurisdictio)を中核として構成されていたこと。これについては1950年代以来の日本における西洋史学の成果に学ぶべき点が多い。
3.「主権」にせよ「所有権」にせよ立憲政の基幹的観念が西洋においては古典古代→中世→近代という諸時代の観念の成層(stratigraphy)として形成されてきたこと。成層ないしそれの叙述方法としての観念の層位学という点については、ドイツの概念史研究の成果を含め、欧米における思想史研究の伝統を再評価すべきである。
4.ロシアの法文化の特質は、歴史としては西欧的なHerrschaftとの対比において、また思想史的には上記の西欧的観念の成層との比較において、解明されるべきである。西洋との対比からすれば、(1)ローマ法(ユスティニアヌス法典)とラテン教会のキリスト教に対するバシリカ法典と東方教会のキリスト教、(2)西洋的封建制(王政)に対するツァーリズムの成立、(3)国民国家形成に対する帝国形成、などを重視すべきである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 杉浦一孝(編): "体制転換期ロシアの法改革" 法律文化社, 345 (1998)

  • [文献書誌] 大江泰一郎ほか: "第2期エリツィン政権下のロシアの立法動向" 外務省欧亜局ロシア課, 124 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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