研究課題/領域番号 |
08620065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
伊藤 光利 立命館大学, 政策科学部, 教授 (00128646)
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研究分担者 |
重森 臣広 立命館大学, 政策科学部, 助教授 (50235529)
宮本 太郎 立命館大学, 政策科学部, 助教授 (00229890)
佐藤 満 立命館大学, 政策科学部, 教授 (00187246)
村山 皓 立命館大学, 政策科学部, 教授 (50230016)
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キーワード | 福祉 / 政策 / 地方分権 / 地方行政 / 行政改革 / 政治改革 / 住民意識 / 政治意識 |
研究概要 |
本年度は、当初の研究実施計画に沿って、福祉政策、地方行政分野の研究のレビューを行うとともに、地方分権と福祉に関する住民意識調査および自治体への聞き取り調査を行い、第2年次における本格的調査分析の分析枠組作成の準備作業を行った。本年度の研究実績の一部は、各研究分担者によって論文あるいは報告書として発表された。 分権と福祉をめぐる中央・地方関係としては、「小さな中央政府と大きな地方政府の傾向」が予想される中で、地方政府がますます福祉を引き受けざるを得ないという構造的仮説が導き出された(伊藤論文「2重国家への途?」)。他方では、福祉国家の行き詰まりの中で、社会政策上の普遍主義と、従来新自由主義と結びつけて考えられた第3セクターや非営利セクターによる福祉供給を内容とする「福祉多元主義」との両立性が国際比較の観点から論じられている理論状況が明らかになった(宮本論文「ポスト福祉国家の政治経済学」)。また福祉供給はすぐれて「公正」に関する問題であるため、本年度の研究では、現行のまた将来のわが国の福祉供給の「公正さ」を評価する際の論理的基準を検討することにより、福祉供給システムをデザインする際の重要な側面の考察を進めた(重森論文「ローカルな正義論」)。 一方で、政治変動期における地域住民の分権化と福祉に関する調査を行い、その一部は報告書としてまとめられた(村山「近畿の市民と市政の意識調査 1996年」)。そこでは、福祉や分権に関する興味深いデータが見て取れた。また個別の聞き取り調査では、財源や制度が変動し不安定な中で、工夫しながら地域の福祉の充実に向けて努力している自治体があることが明らかになった。 来年度は、本年度の研究実績を整理検討した上で、来年度の研究の分析枠組を検討し、理論的かつ実証的に、老人福祉計画の実施状況を総合的に分析・評価していきたい。
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