研究概要 |
平成9年度の私の研究実績のうち、直接に研究課題にかかわる業績は、11.の研究発表の(1)「戦後日本政治と丸山眞男」(「現代史研究会民報」第30号)と(2)「戦後日本政治学史断章(一)」(名古屋大学法学部「法政論集」第171号)の二点である。第一論文は、96年8月15日に逝去された戦後日本の代表的政治学者であり、日本政治思想史家であった丸山眞男氏の戦中・戦後の日本政治とのかかわりを分析したもので、1.丸山青年の特高体験2.原爆体験と敗戦体験.3.丸山眞男と八月革命説,4.平和問題淡活会と丸山眞男.5.安保開年と丸山眞男6.東大紛争と丸山眞男.むすびにかえて,という構成になっている。 第二論文は、戦後日本政治学史研究の第一回分(数回の連載を考えている)で、第一節戦後日本政治学の方向づけ、で、そのような役割をになった丸山眞男「科学としての政治学」(1946年)論文.蝋山政道『日本における近代政治学の発達』(1949年).および年報政治学第1号(1950年)の「討論日本における政治学の過去と特徴」をとりあげ、第二節戦後日本政治学の制度化では.日本政治学会成立の経緯や戦後社会科学における政治学の自律化に資した諸条件が分析されている。
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