研究課題/領域番号 |
08630015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
高木 彰 立命館大学, 経済学部, 教授 (40032700)
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研究分担者 |
小塩 隆士 立命館大学, 経済学部, 助教授 (50268132)
平田 純一 立命館大学, 経済学部, 教授 (00143818)
鈴木 登 立命館大学, 経済学部, 教授 (20140121)
岩田 勝雄 立命館大学, 経済学部, 教授 (60066735)
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キーワード | 社会システム / 有機体論的システム論 / 機械論的システム論 / 自己組織性 |
研究概要 |
本研究の1996年度の主要な柱は、二つある。第一は、21世紀の経済・社会システムを現実的に展開しようとする場合に直ちに問題になるのは、システムが文化的要素を基盤として成立しているために、異文化と日本の文化の関係を如何に捉えるのかということである。そのような課題意識において取り組まれたのが、中国の経済システムの検討である。そのために、1996年9月に、北京大学の社会科学院経済研究所において、「共同シンポジュウム」が開催された(岩田、鈴木、平田が参加した。高木は紙上参加)。中国側の多くの研究者の熱心な参加もあり、極めて重要な成果を挙げることができた。第二は、社会システム論の哲学的、方法論的基礎の研究である。システム論には、機械論的システム論と有機体論的システム論がある。本研究において立脚する基盤は、有機体論的システム論である。しかし、それは如何なる体系におけるものかは、学界レベルにおいても未だ確定されていない。そのためには、差し当たり、機械論的世界観に立脚するシステム論の批判的考察が必要であった。それはニュートン、デカルトの古典力学の世界を如何に克服するかという問題でもあったのである。更には、哲学的基礎にまで立ちかえった研究が行われた。それは、有機体の哲学としてA.N.ホワイトヘッドの研究である。『過程と実在』を中心とする研究は、しかしそれほど容易なことではなかった。社会システム論の研究としては、N.ル-マンの研究が行われた。ル-マンの経済システム論は、自己創出性を強調することによって、自己組織性、恒常性(ホメオスタシス)について充分な注意が払われていないことが明らかにされた。
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