研究課題/領域番号 |
08630023
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢島 美寛 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70134814)
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研究分担者 |
国友 直人 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10153313)
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キーワード | 非定常モデル / 長期記憶モデル / 季節調整法 / 非線形モデル / 欠測値 / 自己回帰モデル / 標本自己相関関数 |
研究概要 |
矢島は欠測値が非定常モデル及び定常モデルの中で特に長期記憶モデルの推定に与える理論的影響について明らかにした。第一に単位根を持つ非定常時系列モデルのパラメータ推定に最小2乗法型推定法とYule=Walker型推定量を用いた場合について両推定量の漸近分布を明らかにした。この結果はWhiteが1957年に完全観測のもとで導出した最小2乗推定量の漸斤分布の一般化である。 第2非定常過程の場合と比較のため、上の2つの推定量に加えて、標本相関係数型の推定量を定常過程の自己相関係数推定に用いた場合について、3つの推定量の漸近的性質を明らかにした。短期記憶モデルに対しては、多くの場合標本相関係数型推定量が最良であること、長期記憶モデルではすべての推定量が同一の漸近分布を持つことを示した。さらに長期記憶モデルでは完全観測のもとでの推定量の漸近分布とも同一であることが明らかになった。 国友はまず最近米国商務省で開発された季節調整法X-12 ARIMAの理論的性質について考察した。本季節調整法は回帰モデルと非定常時系列モデルとしてポピュラーなARIMAモデルを基礎とするModel-basedな方法という点に特徴がある。しかし原系列が非定常であると回帰パラメータに対する最小2乗推定量が必ずしも一致性を持たないこと、また最適なモデルの選択にモデル選択規準を応用しているが、非定常性や構造変化を伴うデータに対するこれらの規準の理論的性質を明らかにする必要があること、また季節調整済み系列は信頼区間含めて発表することが望ましいことなどの問題点及び改善の方向について示唆した。また自身が提案した非線形同時転換自己回帰モデルのパラメータに対する最尤推定量の漸近正規性の厳密な証明を与えた。
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