経済自由主義は新古典派経済学の論理で語られることが多いが、実はそれは社会主義経済を支持するものでもあったことが経済計算論争においてランゲらによって明らかにされた。そこでハイエクは、自由主義の経済思想を求めて完全情報の仮定を批判し、分散的知識の市場論を展開した。社会主義の失敗は、知識の伝達という市場の機能をとり込めなかった点にある。しかしその自由市場においては、活発な技術革新のせいで過剰に多くの知識が創出され、社会に混乱を与えている(例.薬害エイズ問題、デリバティブ商品)。現在では、こうした新知識の管理・調査をいかに行なうかが、官僚組織やNPOの課題となっている。
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