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1997 年度 実績報告書

フィリピンにおける工業技術形成と日本中小企業の技術移転に関する理論的・実証的研究-フルセット型産業形成から比較優位技術の形成へ-

研究課題

研究課題/領域番号 08630052
研究機関大阪市立大学

研究代表者

森澤 恵子  大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (60137180)

キーワード中小企業 / 下請生産 / 技術移転 / 技術形成 / アジア域内貿易 / AFTA / 日本 / フィリピン
研究概要

本年度は、エレクトロニクス産業のサポ-ティング産業に従事している日本の中堅・中小企業の中から、フィリピンに進出している企業を選び出し、精密プラスティック成型、精密金型生産、精密メタルプレス・メタル・部品生産、PCB組立、パッキング材、ラベル生産、塗料生産等に従事している日系企業の調査をおこなった。特に本年度は、焦点をプレシジョンエンジニアリングと精密金型生産の技術移転に焦点をあわせて、調査・研究を進めた。
本年度の研究によって得られた知見は、以下のものである。
プレシジョンエンジニアリングと精密金型生産のフィリピンへの技術移転は、近年その必要性が急速に増加しているが、フィリピンのローカル企業への技術移転がほとんどみられない。その理由は、この分野の生産には高い技術力と大きな資金力が必要とされ、現時点では、フィリピン中小企業にとって、それをクリア-するのが難しいからである。この分野への、フィリピンへの日系中小企業の進出は、その工場内でのフィリピン人技術者・技能者の育成というルートと、フィリピン企業との合弁というルートによって、進みうる可能性がある。フィリピン人従業員の教育・訓練は、大きな可能性を持ちながらも、日本とフィリピンの労働市場、労働哲学の相違によって、日本、フィリピン双方の歩み寄りを必要としている。社会・経済システムの相違によって、日本での技術移転・形成の経験をフィリピンに直接、移植しても日本と同様の結果はえられない。現時点では簡単なプラスティック成型、メタル部品はフィリピン企業、精密部品は日系企業というすみわけがフィリピンのサポ-ティング産業にできている。今後、日本とフィリピンでの民間企業レベルでの協力と同時に、政府間レベルでの協力(公的な技術教育援助等やフィリピンでの中小企業への融資制度の改善等)によって、プレシジョンエンジニアリングの技術移転に取り組む必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 森澤 恵子: "フィリピンにおけるコンピューター周辺機器生産の新展開" 季刊経済研究. 21・1(未定). (1998)

  • [文献書誌] 中川信義 編: "イントラ・アジア貿易と新工業化" 東京大学出版会, 294 (1997)

  • [文献書誌] R.S.Oela Cruz(editor): "Image and Reality;Pnilippine-Japan Relations Towards 21st Century" Institute of International Legal Studies,Univ.of the Pnilippines Law Center, 414 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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