研究概要 |
本年度も昨年度同様97年12月に直接ロンドンを訪問しロンドン・ギルドホール大学教授,国際運輸経営研究所所長のジエイムズ・マコンビル教授から詳細な指導を受けた。また98年3月にも同教授が来日されたので,神戸で指導を受けることができた。 EU共通海運政策関係資料については、数度上京し日本郵船調査室,および大阪商船三井船舶営業部調査室を中心にその動向についてヒヤリングと資料収集につとめた。また昨年12月に再びロンドンにある日本船主協会欧州地区事務局の特別の配慮によって船主協会を中心とした資料を引き続き収集すると共にその動向をヒヤリングすることができた。また本年度の特徴としては、http://europa.eu.intによってEUの情報をインターネットによって収集できたのも大きな成果である。 EC(EU)共通海運政策はEC委員会の第4総局(運輸部門)と第7総局(競争部門)によって主として取り扱われているが,その政策はEU以外の国際的な部局からの影響を大きく受けている。すなわち現在討議がすすめられている米国の1984年の海運法の改正法案(US OCEAN SHIPPING REFORM ACT OF 1997(S.414)やOECD(MARITIME TRANSPORT COMMITEE)の動向,OECD(具体的にはWORKSHOP ON MARITIME TRANSPORT POLICES AND PRACTIES)やWTOのサービス貿易の分野からの政策がそれであり,本年度の研究も昨年度同様それらの国際機関の資料の収集と検討が大きな課題であった。 平成10年度一般学術図書(文部省科学研究費補助金「研究成果公開促進費」の申請を昨年11月に行っているので,「EU共通海運政策と競争法」の具体的な章立てと体系化に全力を注いだ。なお本年度の研究成果の具体化として,『国際交通論』,武城正長編著,税務経理協会,1998年3月刊行,第6章「定期船海運の歴史と伝統的な海運同盟」,101-112ページを担当した。
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