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1996 年度 実績報告書

ロシアにおける体制転換と西側による対ロシア経済支援に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08630056
研究種目

基盤研究(C)

研究機関中央大学

研究代表者

酒井 正三郎  中央大学, 商学部, 教授 (10138612)

キーワードロシア経済 / IMF・世界銀行 / マネタリズム / コンディショナリティ / 総需要抑制策 / 資本・貿易取引自由化
研究概要

本研究は、ロシア移行経済の特質がいかなる国際的条件のもとで形成されてきているのかを、西側政府・機関による対ロシア支援や資本・貿易関係の分析をつうじて明らかにすることを意図したものである。
マクロデータから見るかぎり、システム転換後5年を経たロシア経済は未だ再生への出口を見い出しえていない。その主要な原因は、G7・IMF・世銀等による「援助」を見返とした総需要抑制策と資本・貿易取引自由化のロシア経済への強制である。すなわち西側諸国・機関による対ロシア支援の「哲学」は、マネタリズムに立脚するものであり、それはインフレ率、貨幣量の増加率、国家予算の赤字規模等の指標が一定の範囲内に収まることを支援継続の条件(コンディショナリティ)とする。そこでは、政府の主たる機能はマネタリーコントロールにおかれており、リアルエコノミーへの介入は基本的に排除される。政府の総需要抑制策のなかでは、企業の投資は実物へと向わない。
企業間債務累積や内需依存型製造業の低迷、他方で比較優位産業として外資導入がすすむ資源・採掘産業の復興という現在のロシア経済の跛行性は、基本的には、こうした移行期ロシアをとりまく国際的条件の結果であると考えるべきである。逆に言えば、ロシア経済の後退を食い止める有効な支援は、短期的な通貨・財政面の安定化のみを追求するようなマネタリスト的手法からの転換が前提とされる、ということである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 酒井正三郎: "エリツィン再選戦略とロシア経済" 経済. NO.9. 92-93 (1996)

  • [文献書誌] 酒井正三郎: "(書許)溝端佐登史著『ロシア経済・経営システム研究』" 経済. NO.10. 144-145 (1996)

  • [文献書誌] 酒井正三郎: "「社会主義経済の停滞」『第三世界の挑戦』所収" 東京大学出版会(歴史学研究会編『講座 世界史』第10巻), 22(384) (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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