研究第1年にあたる1996年、報告者は標記の課題について所定の研究計画に基づき以下の調査研究を行なった。 1.現地調査:(1)ベトナム('96.8)、(2)タイ、インドネシア、シンガポール('97.3) 地域的に限定されてはいたが、2度にわたる東南アジア現地調査は経済成長とエネルギー需給の実態を各国の政策展開を知るうえで極めて有効であった。 2.統計・資料の収集:とくに、関連諸国の高度成長の性格とエネルギー問題に関する統計 資料類を広範に集めた。また、現地でしか入手し得ない貴重なデータも若干収集することに成功した。 3.専門知識・知見の獲得:国際機関では、世銀、ESCAP、ADB、メコン河委員会、IEA、各国政府関連では、上記現地調査実施国の政策担当者、専門家等から多くの知識や知見を獲得した。また、ハノイ大学、シンガポール大学の関係者、日本の進出企業の担当者等からブリーフィングや資料の提供をうけた。さらに、国内では、通産省・資源エネルギー庁、日本エネルギー経済研究所石油会社その他大学、シンクタンク等からも新たな知見を得た。 4.報告者は、標記研究実施以前の期間、また、今回の研究で得た知識や知見を基に研究ノートをまとめ、'96年5月、ハンガリーのブダペストで開催された国際エネルギー経済学会第19回研究大会で「東アジアの経済成長とエネルギー問題--巨大市場の出現と政策選択」と題する研究発表を行なった。また、'97年1月インドのニューデリーで開かれた同学会第20回研究大会、同年2月の東京での「アジア・太平洋エネルギー協力会議」に出席、討論に積極的に参加した。
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