研究概要 |
本研究は,17世紀におけるヨーロッパ経済において中軸的位置を占めたオランダを対象として,とくにはアムステルダム商人として国際的に傑出した活躍を示した商人ブルラマッキ家を取り上げ、その商業交易活動の実証的研究を行った。史料としたのは,1663年から1691年にかけて認められた同家の記録であり,マイクロフィルムである。 オランダ経済は,17世紀において,16世紀ヨーロッパ経済の中枢的位置を占めたアントウェルペン市場の崩壊の後を受けて南ネ-デルラント地域,またそこで活躍していた各地の商人や経済人を受け入れたが,イタリア出身のブルラマッキー族もアムステルダムに移住し,オランダ東インド社会の代表的商人の一人となって,ヨーロッパを中心としながらも,遠く東インド,カリブ海海域において手広く交易活動を展開した。本研究では,この交易活動の様相の主要な活動内容について今後精緻な研究を行っていくうえで必要なオランダ商業の実体把握について基礎的・基盤的な研究を行った。
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