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1996 年度 実績報告書

1950年代の欧州統合におけるベルギーの役割

研究課題

研究課題/領域番号 08630081
研究種目

基盤研究(C)

研究機関立正大学

研究代表者

小島 健  立正大学, 経済学部, 助教授 (00211897)

キーワードシューマン・プラン / ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体 / ECSC / ベルギー経済 / ベルギー石炭業 / 欧州統合
研究概要

本年度は主に史料・文献の収集と分析、統計の解析を行った。最近のヨーロッパにおけるEC前史に関する研究関心は極めて高く専門の雑誌が発行されるほど進展しており、それらをサーベイするだけでも予想以上の時間がかかった。史料にもとづく実証分析は来年度も引き続き行う。だが、この結果、近年のヨーロッパの学界における問題意識や研究方法については理解を深めることができた。
本年度は、1950年5月にフランス政府によって提案されたシューマン・プラン(ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体設立計画)に対して、ベルギー経済界がそれをどう認識し、どのように対応したかを、とくにベルギー石炭業の動向を中心に研究し、次のような知見を得ることができた。
シューマン・プラン発表前においてベルギー政府は同国経済の構造改革を指向しており、たとえば国際競争力の劣る同国石炭産業に対する新たな補助金体制を構築しつつあった。また、ベルギー石炭産業の地域的特徴は顕著であり、とくに南部ポリナ-ジと北部カンピンの間には品質や生産性ににおいて大きな格差があった。域内の限界生産者であるベルギー石炭業の問題は、国際競争力の向上と国内産業・地域経済の保護というその後の欧州統合にとっても重要な問題の最初のケースであり、この間題の交渉過程と結果を歴史的に検討することは、欧州統合を理解する上で重要な視点を提供するものと考えられる。来年度は、他産業の対応についても検討し、ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体設立後なぜベルギーが欧州統合を積極的に推進することになるのかについての見通しを得たい。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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