研究概要 |
わが国の年金(とりわけ厚生年金基金と税制適格年金に代表される企業年金)財政の危機が顕在化するようになったのは,90年代に入って,いわゆるバブル崩壊以降のことである。このような危機の背景にあるのは,わが国の企業年金制度の硬直的規制が市場実勢と連動していないという事情による部分が少なくない。今年度の研究では,市場と連動した年金制度を前機にする米国の実情について文献研究とヒアリングを実施し,学会(日本経営財務研究学会)で報告をするのみならず,わが国の厚生年金基金の運用実績ならびに財政状況のデータを入手し,データべ-ス構築の作業を開始した。明年度以降は,このデータベースにもとづいて,シミュレーションによる年金財政ALMモデルを構築し,実証研究に着手する予定である。
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