本研究は2年間に亘るが、第1年度においては、文献調査、作業仮説の設定とサンプル調査、およびアンケート調査と一部の分析を実施した。 まず、内外の文献調査をとおして、公-私両組織体に共通する組織・業務・情報技術の整合性に関わる分析枠組み、および作業仮設を設定した。情報システムを顧客/住民満足型、業務改善・改革型、組織転換(transformation)型、および社会・環境共生型に類型化し、調査対象の各自治体、民間企業が分類できるような属性を抽出し、操作化できるようにした。そして、それをもとにサンプル組織体でのヒアリングなどにより、調査設計を行った。 調査項目は、プロファイルの他に、情報化のための環境整備、EUCの実施状況や共用DBの整備状況、情報システムの導入・利用効果、情報システムと業務改善・改革との関係、情報システムの推進体制および情報システムの特徴で構成され、質問項目は約50である。 また、調査対象は、民間企業については従業員数の多い大企業500社、自治体については人口数5万人以上の都道府県、市、約500自治体とし、平成8年12月に郵送によるアンケート調査(「情報システム化における自治体と民間企業との比較のためのアンケート調査」)を実施し、全体で400強(回収率40%)の有効回答を得た。また、回答の妥当性と補足調査のため、いくつかのサンプル組織体へのフィールドサーベイ(ヒアリング)を行うとともに、統計分析を行った。 分析結果は、平成9年度の調査研究に引き継がれる。
|