共同研究開発の組織のマネジメントの国際比較のために、まず初年度(平成8年度)においては米国共同研究開発法(1984)のもと米国司法省反独占局に提出され政府官報によって開示されたR&Dジョイント・ベンチャーの基礎データを1990年〜1995年まで(1985年〜1989年については既に解析済み)収集した。さらにそのデータをデータベース化する作業を継続中である。また日米の共同開発組織を対象に1989年から1990年に行なった質問紙調査を韓国の産業技術研究組合を対象に行なった。1982年〜1996年までに設立された68件の技術研究組合のうち解散した組合を除く54の組合を対象に1996年9月〜10月に日米で使用した質問紙を韓国語に翻訳したものを送付し48件の組合から回答を回収した。現在回収された韓国側データをもとに日米のデータとの比較や日米韓それぞれNational System of Innovationについて比較研究を進行中である。 日米韓ともに共同研究開発に関する理論的実践的関心は強くなりつつあるが、共同研究開発の仕組みやマネジメントの方法については、各国独自の研究開発制度や各国企業の研究開発志向に依存するところが大きく、国のイノベーション・システムの技術基盤を重視するアプローチをとるべきである.
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