研究課題/領域番号 |
08630126
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研究機関 | 聖徳大学短期大学部 |
研究代表者 |
早坂 明彦 聖徳大学短期大学部, 文学科, 助教授 (40238093)
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研究分担者 |
山口 幹雄 聖徳大学短期大学部, 文学科, 教授 (10239915)
前田 勲 聖徳大学短期大学部, 文学科, 助教授 (60238855)
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キーワード | 男女雇用機会均等法 / 育児・介護休業 / 再雇用制度 / 女性管理職 |
研究概要 |
昨年度行った関東・中部・関西地区の百貨店、スーパー・マーケットの人事担当者に対する面接調査の結果をベースに、本年度は地域的特色を考察するために北海道、九州地区の百貨店、スーパー・マーケットの人事担当者に対する面接調査、並びに全国の百貨店、スーパー・マーケットの人事担当者に対しアンケート調査を行った。 女性社員の活用について、企業側の要因から整理したい。第1に、百貨店やスーパー・マーケットで扱う商品の特性上、どの企業でも新卒女性社員の雇用には積極的であった。流通業界における女性の能力、労働力というものが非常に重要であることが認識できる。第2に、女性社員の管理職登用であるが、他産業から比べると多いかもしれないが、女性社員の占める割合が多いにも拘らずに少ない。とくに課長職以上は非常に少ない。育児・介護休業制度、同短時間勤務制度については、各企業とも法律の基準を上回っており、他産業も参考にすべきであろう。しかし、利用する女性社員は10年前から比べると増加してはいるものの絶対的には少数である。その一つの原因は、休業中の賃金等の保証が手厚くないからであろう。そのような中で九州地区にある2百貨店は、休職前の賃金を保証したり、また所得税の非課税限度額を保証し、育児に対するバックアップをしている。他企業も現行制度を再考すべきと考えられる。またこれらの制度を利用する社員は女性がほとんどであることも問題点として指摘でよう。第3に、再雇用であるが、制度としてどの企業も制度化しているが、利用する女性社員が少ない。過去のキャリアを活かすための制度が十分機能していないのは労使双方にとってマイナスであろう。制度を利用できる条件を現在の条件よりも緩和する必要があろう。 今後は、女性社員の観点から改正均等法、雇用管理について、面接調査等を行い問題点を探求したい。
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