第4回目の原価企画に関する実態調査を実施した(現時点での有効回答数は315事業である)。これは第1回(1982年)、第2回(1987年)、第3回(1992年)とほぼ同一の設問によって時系列的に実態調査したものであり、これを業種別、業態別に分析し、原価企画の発展状況を把握すると共に課題を見出すものである。 今回の調査は従来と同一業種(原価企画のレベルが最も高いと思われる電気機器、輸送用機器、機械、精密機器など)であり、まだ十分なトレンド分析はできていないが、幾つかの事実が明らかになった。その1はどの業種においても原価企画のレベルが高まってきたこと、その2は原価企画によって管理する原価の対象が広がってきていることである。また、従来の調査結果と比べてほとんど変化がみられないのは原価目標と性能目標や日程目標との重要さの割合であり、10年以上経っても大きな変化がないことである。また顕著の点は原価見積の精度が着実に向上していることである。また業種別の特徴は次第に少くなりつつあるようである。来年はこの調査結果を基により詳細な分析と補足調査を行う予定である。
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