研究概要 |
Vaughan Jonesにより導入されたスピンモデルは、Francois Jaeger(Adv.Studies of Pure Math.24,1996)による位相幾何学的手法および筆者(K.Nomura,J.Algebraic Combin.6,1997)による代数N(W)の導入によって、アソシエーションスキームとの密接な関連が明らかになり、それによって、スピンモデルの分類や特性の研究はすべて代数的組合せ論の範疇で行うことが可能となった。その後、松本眞も加わって代数N(W)について研究を進め、非対称なスピンモデルへの拡張や自己双対性の証明等を行った。 さらに、Jaegerとの共同研究により、非対称スピンモデルの構造定理を証明し、新しい非対称スピンモデルの発見に至り、その分配関数から得られる絡み目の不変量を決定した(F.Jaeger and K.Nomura,投稿準備中). 一方、グラフ上のスピンモデルについては、次のような成果が得られた。 (i)3角形のない場合のグラフは概2部グラフとなることを示した(K.Nomura,J.Combin.Theory(B)67,1996), (ii)概2部な距離正則グラフを分類した(K.Nomura,Adv.Studies in Pure Math.24,1996),(ただし2-homogeneousなものについて) (iii)Brian Curtinとの共同研究により、距離正則グラフ上のスピンモデルのウエイトに関する規則性を発見し、それを用いて、グラフの固有値および交叉数を与える2-パラメータ表示を得た(投稿準備中).
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