研究課題/領域番号 |
08640023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤原 一宏 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 講師 (00229064)
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研究分担者 |
浪川 幸彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20022676)
梅村 浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40022678)
向井 茂 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (80115641)
北岡 良之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40022686)
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キーワード | ガロア表現 / 保型表現 / 楕円曲線 / ヘッケ環 |
研究概要 |
楕円モジュラー曲線とそのヘッケ環についてのTaylorとWilesの仕事を可換環論の議論を使って公理化することに成功した。得られた公理系をTaylor-Wiles系と名付けたが、これは現在まで有効であった KolyvaginによるEuler系よりも条件が緩いため、全てのモジュラー多様体に適用可能であると思われる 実際には研究目的としてあげた総実、代数体上の志村曲線の場合Taylor-Wiles系が作れることを示し、剰余表現の既約性の仮定の下でヘッケ環が完全交差であること、及びそれがガロア表現の普遍変形環である(Fontaine-Mazur.予想)ことを証明した.さらに、コホモロジー群がヘッケ加群として自由であることも示した.従来の方法では8展開を使わなければ示せなかったため、志村曲線に対して初めて得られた結果である.これらの結果はプレプリントにまとめられている. また、モジュラー形式のレベルを下げる議論をヒルベルトモジュラー形式に対しても展開し、成果を得た.上述の結果を総合することにより、総実代数体上の楕円曲線が比較的緩い条件の下にモジュラー形式から作られており(谷山-志村予想)GL(2)に対するラングランズ予想についての知見を得ることができた.現在はより多くのモジュラー多様体に対しTaylor-Wiles系を作ることを考察中である.
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