研究課題
自己双対凸錐体に付随するゼータ関数、特にその特殊値に関する研究を続けている。このゼータ関数の0における値と、対応する管状対称領域の数論的商空間の尖点特異点における幾何学的不変量(Todd種数)との関係は、最初(1974年)ヒルベルト・モジュラー群の場合Hirzebruchによって予想されたが、一般の場合1992-93年に尾形・石田(東北大)によって、研究代表者の予想した形で証明された。この関係の拡張として、研究代表者はゼータ関数の負の整数における値と、この凸錐体から生じる第2種Siegel領域の(第2種)尖点におけるTodd種数との関係についても予想を定式化した。分類理論により、この種の尖点が生じる三つの場合が考えられるが、第一の場合について最近ドイツのSczechが研究を進めている。研究代表者はそのKey lemmaである交点数に関する公式等が一般の場合にも成立することを証明した(未発表)。しかしSczechの用いた総和法には未だ難点があり、現在、その補正、一般化について考慮中である。また石田のT-complexのω-不変量を使う方法の拡張についても検討中である。
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