研究課題/領域番号 |
08640061
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
堀江 邦明 東海大学, 理学部, 助教授 (20201759)
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研究分担者 |
楢崎 隆 東海大学, 理学部, 助教授 (70119692)
杉田 公生 東海大学, 理学部, 教授 (60056083)
伊藤 達夫 東海大学, 理学部, 助教授 (20151516)
和泉澤 正隆 東海大学, 理学部, 教授 (50108445)
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キーワード | 代数体 / 岩澤不変量 / CM体 / コホモロジー論 / 類体論 / 岩澤理論 |
研究概要 |
lを素数、kを総実な有限次代数体とするとき、kを最大実部分体とするCM体の全体をΩとしΩ_l={K【not a member of】Ω|Kの岩澤μ_l^--,λ_l^--不変量は共に0}とおく。研究代表者により|Ω_2|<∞となるための必要十分条件が得られており、特に|Ω_2|<∞となるkの例及び|Ω_2|=∞となるkの例がいずれも存在する。一方、常にl>2⇒|Ω_l|=∞であることが予想されている。これに対し既に、研究代表者他はl=3かつk=Qである場合にDavenport-Heilbronnの3次体の分布理論を細分化することによりΩ_3の部分集合でΩの中で(具体的な)正の密度を持つようなものが存在することを証明し、したがって|Ω_3|=∞を示している訳であるが、近年のDatskovsky-WrightによるDavenport-Heilbronnの理論の一般化を土台にして、Ω_3の部分集合が持つΩにおける密度の下限を評価すると同時に|Ω_3|=∞をk≠Qの場合に対しても最近示すことができた。ところで研究代表者はこの辺の事情を含む岩澤不変量についての論説を雑誌‘数学'に発表したが、アメリカ数学会の雑誌‘Sugaku'にもその内容を英訳して発表する予定である。さて、コホモロジー論を具体的に応用する事によりGalois拡大のnumber knotの構造を群論的に調べることができるというのは、類体論のコホモロジー論的解釈から得られた著しい成果であるが、Galois拡大の塔に対してnumber knotがどのように変化していくかについては、未だ、十分な研究はなされていないようである。そこで、Z_l-拡大、更にZ-拡大など、岩澤理論で考察される塔においてのnumber knot相互間の関わりについても調べてみたいと思っている。
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