有限表示された代数系の語の問題やその他の決定問題について、主として書換えシステムの手法で研究した。 有限表示モノイドの語の問題の可解性と、言語理論的に良い性質をもつ完備書換えシステムの存在との関係について研究した。特に、良い性質をもつ完全代表系の存在との関係については、文脈自由言語の範囲では不可能であるが、文脈依存言語の完全代表系を作れることを示した。これらの結果は、論文1、2、5と総合報告1に発表した。 書換えシステム自体の重要な性質である、合流性と停止性の問題についても研究し、合流的単ルールのシステムの停止性は、左辺が自己重複をもたないルール場合に帰着されることを示した(論文3)。 語の書換えステップから作られるグラフのホモトピー理論においても、書換え手法が有効であり、Homotopy reduction systemが強力な道具になることを、論文4で示した。特に、最初の関係がnonspecialのときは、left canonical reductionが完備であり、Homotopy groupの語の問題は可解である。さらに、完備なHomotopy reduction systemの存在から、ホモロジー有限性FP_4が従う。Homotopy有限性FDTと語の問題は独立であることは、論文1で与えた。 代数曲線の具体的構成についての研究では、種数g【greater than or equal】2の曲線族で、階数が大きいものを構成する手法を開発し、論文6に発表した。Neronの方法には限界があり、それを改良することにより、さらに高い階数の曲線族を構成する
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