研究課題/領域番号 |
08640105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
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研究分担者 |
南 和彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 講師 (40271530)
内藤 久資 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (40211411)
土屋 昭博 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90022673)
佐藤 肇 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (30011612)
小林 亮一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20162034)
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キーワード | サイバーグ・ウィッテン / モノポール方程式 / シンプレクティック幾何 / 擬射影平面 / 4次元多様体 / ゲージ理論 |
研究概要 |
サイバーグ・ウィッテンによる4次元多様体上のモノポール方程式を用いて、シンプレクティック4次元多様体の幾何学に対するいくつかの結果を得た。シンプレクティック4次元多様体Xの接束TXの第一チャーン類_<C1>(TX)が正であるシンプレクティック4次元多様体の基本群、数的不変量を調べた。また正スカラー曲率計量をもつある4次元多様体に入り得るシンプレクティック構造の制約を得た。応用として有理曲面は極小一般型曲面と微分同相になりえぬことの簡明な別証明が得られる。これは、S^2×S^2と微分同相な一般型代数曲面は存在しないだろうというヒルツェブルフ予想も含む。また、マンフォードの擬射影平面に入るシンプレクティック構造の制約も得られた。更に、モノポール解とJ正則写像との関係に関するタウベスの定理を用いることにより、_<C1>(TX)とシンプレクティック2形式との積の積分が正であるシンプレクティック4次元多様体は、ブロ-アップ・ダウンを除いて有理曲面か線織面に微分同相なものに限ることを証明した。特に_<C1>(TX)がシンプレクティック2形式の定める2次のコホモロジー類と正に比例する場合は、モノポール方程式の対称性を用いることによりそれはデルペソ曲面と微分同相であることが証明される。またスカラー曲率が正であるリーマン計量を許容するシンプレクティック4次元多様体は、やはりブロ-アップ・ダウンを除いて有理曲面か線織面に微分同相であることを証明した。これらの証明の鍵となることは、b^+_2(X)=1の場合、サイバーグ・ウィッテン不変量は計量に依存してしまうがその依存性(いわゆるwall crossing公式)を一般の4次元多様体の場合に解析することである。これらの結果を応用してラロンデとマクダフは線織面のシンプレクティック構造に関するある剛性を証明した。
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