研究課題/領域番号 |
08640115
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
菅原 邦雄 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20093255)
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研究分担者 |
高嶋 恵三 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (00137184)
田沼 一実 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (60217156)
田中 秀典 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (60192176)
小山 晃 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40116158)
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キーワード | Riemann多様体 / 体積 / Ricci曲率 |
研究概要 |
Ricci曲率が下に有界なRiemann多様体に関するBishop-Gromov不等式を、Busemann関数の表す無限遠点に向かうrayのなす錐領域の測度評価に再構成し、その結果を、Ricci曲率が漸近的に非負な多様体に適用して、Busemann関数の各レベルの間の体積の評価を得た。その際、評価の下限を与える微分方程式の解を厳密に決定できたことが鍵となった。これらの結果の応用として、H.Wuが解析的な手段で得た体積増加率の別証明を得た。また、endの個数の有限性について、断面曲率が漸近的に非負な場合と同様に、Ricci曲率が漸近的に非負な場合にも同様な結果が成立することが示唆された。 上の研究において理想境界の位相構造の分析が必要であった。この方面では、Marenichが、ある種のAlexandrov空間に対してその構造を決定した以外には具体例がなく不明な点が多かった。本研究では、楕円放物面およびMarenichの例を複雑化した場合に、その理想境界を具体的に決定した。Busemann関数の間の距離が理想境界の大きさを決定しているのではないかという予想に対して、これらの場合には、それが肯定的であることが示された。 派生的な結果として、可換群について非輪状なresolutionを許容するコンパクト距離空間の内的特徴づけとして導入したapproximation dimensionの概念が一般の距離空間に対して新しい次元関数となることが導かれた。また、ある種の非等方弾性方程式の基本解の公式を求めた。
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