研究課題
1 対称空間のKコホモロジー環で有理整数環上の外積代数をなすものについて、その生成元が複素化写像の像になっている場合に、そのKOコホモロジー環をボット完全系列を用いて計算できることを示した。その生成元が複素化写像の下でどんな元の像になっているかを調べるとき、複素化写像のオメガ・スペクトラムとしての表現を必要とした。2 対称空間はあるリー群の等質空間で対合的(すなわち、位数2の)自己同形によって固定される元全体のなす閉部分群(の単位元の連結成分)による商空間として表わされる。ボット写像をあるリー群の2つの対合的自己同形が交換するときに定義されるものとして捕え、ボット写像のKコホモロジー上での振る舞いを記述する公式を与えた。それは対称空間のチャーン指標の研究などへ応用できる。また、リー群の対合的自己同形と位数3の自己同形に関して、同様の視点からの研究が考えられる。3 リー群の等質空間で位数3の自己同形によって固定される元全体のなす閉部分群による商空間を研究するときも、それに関連する1次元トーラスの中心化群による商空間を最初に扱う。そのような空間のコホモロジーを計算する際、申請時に書いたように、数式処理ソフトのマスマティカはやはり強力な道具として使える。実際に、階数4や6の例外型単純リー群に対するそのような空間、特に対称空間EIIに関連する空間、の整係数コホモロジー環を計算した。
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