研究課題/領域番号 |
08640163
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
堀内 利郎 茨城大学, 理学部, 教授 (80157057)
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研究分担者 |
下村 勝孝 茨城大学 理学部, 助手 (00201559)
松久 富美子 茨城大学 理学部, 助教授 (90194208)
中村 芳昭 茨城大学 理学部, 助教授 (40007555)
小野瀬 宏 茨城大学 理学部, 教授 (80007559)
田村 英男 茨城大学 理学部, 教授 (30022734)
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キーワード | 退化楕円型方程式 / 重み付きソボレフの埋め込み定理 / 重み付きソボレフ不等式 |
研究概要 |
本年度の研究目的は領域の内部及び境界で様々な退化を許された楕円型偏微分作用素の対して、境界値問題の解の構造を詳しく調べることであり、具体的には次の問題が中心となりました。1。クリティカルな増大度を持つ非線形項を含む場合の退化楕円型方程式の解の存在と正則性の研究。特に重み付きソボレフの不等式の最良定数の決定等に代表される変分問題との関係を研究する。2。領域境界上で非一様な退化をする作用素の解(特に古典解)の構造を研究する。3。実対称行列上での(ベッセル型に代表される)退化楕円型作用素に対するポテンシャル論の構成及び退化楕円型作用素に関するポテンシャル論の構成。これらの問題に対して、以下のような成果がありました。第1の問題については、原点からの距離のべきを重みとする重み付きソボレフの不等式の最良定数と極値関数の決定を試み、主要部が線型の場合には完全な結果が得られた。主要部が非線型の場合にも、極値関数の存在するための必要十分条件が得られており、来年度以降の研究が期待される。第2の問題については、境界全体、或いはその一部で退化がおこり、その仕方が必ずしも一様でない場合に、その楕円型偏微分作用素に対する混合型境界値問題の可解性が調べられた。本年度はノイマン型条件とディリクレ型条件を中心としてグリーン関数の構成とその評価が行われ、古典解の存在と正則性のが詳しく調べられた。第3の問題については、熱方程式の解を保存する変換の特徴付けが下村を中心として行われた。 平成9年度以降は以上の成果をもとに、さらに退化楕円型作用素の研究を発展させて行く予定である。
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