研究課題/領域番号 |
08640168
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
志賀 弘典 千葉大学, 理学部, 教授 (90009605)
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研究分担者 |
松田 茂樹 千葉大学, 理学部, 助手 (90272301)
杉山 健一 千葉大学, 理学部, 助教授 (90206441)
北詰 正顕 千葉大学, 理学部, 助教授 (60204898)
野澤 宗平 千葉大学, 理学部, 教授 (20092083)
越谷 重夫 千葉大学, 理学部, 教授 (30125926)
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キーワード | 保型形式 / 複素多様体 / 代数多様体 / コード / 頂点作用素代数 / ヘッケ環 / 超幾何関数 / 超幾何微分方程式 |
研究概要 |
本プロジェクトは代表者、分担者間での連絡を密にとりつつ、平成8年度において以下のような活動を行い実績を挙げた。 平成8年4月には、学術振興会短期招へい教授(受け入れ教授=志賀)として、バトヴァ大学Francesco BALDASSARRI氏を迎え、連続講演"p進微分方程式の幾何学的方法"が行われ、本プロジェクトのメンバーと活発な討議が交された。 志賀は、K3曲面の数論についての考察を進め、大学院生の成宮との共同研究によって高次元合同数問題に取り組み、この問題とK3曲面との関係を記述した。さらに、K3曲面のMirror Symmetry現象と多変数保型形式との関連に興味を持ち、いくつかの実験結果を得た。 松田は、p進微分方程式の代数幾何学的研究を継続し、分岐理論的考察から、Swan conductorについての著しい結果を得た。 杉山は、70年代のHirzebruch-ZagierによるHilbert保型形式の交点理論からの構成に着想を得て、抽象的ベクトル空間へのヘッケ環の作用を、モジュラー曲線の簡約が良好性を失うような素点での交点理論を用いて構成し、その作用を保型形式の空間に表現することによって構成される母関数としてモジュラー形式を捉えることに成功した。これは、Gross-ZagierによるBirch and Swinnerton-Dyer予想の部分的解決(現在得られている、この予想についての最良の結果)をさらに踏み込んで考察するための手段となることが期待される前進である。 その他、北詰はコード頂点作用素代数の自己同型群についての研究を進めて、研究発表を行っている。
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