研究分担者 |
真島 秀行 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (50111456)
松尾 厚 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (20238968)
片岡 清臣 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60107688)
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
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研究概要 |
本年度特に国成果を挙げた研究は「多面体の組み合せ論,有限鏡映群の不変式論と偏微分方程式系」に関するものである。これに関しては、先ず1962年に応用数学者FriedmanとLittmanによって提出された、「多面体に関して平均値の性質を満たす関数(多面体調和関数)全体は有限次元線型空間をなすか?」という未解決問題を解決した。これは従来のFourier解析的手法と全く異なった,多面体の幾何と組み合せ論にホロノミックな偏微分方程式系の理論を組み合せる新しい手法に基づく。この結果は雑誌Geometryに掲載が決まっている。さらに高い対称性を持つ多面体に関する多面体調和関数全体を決定するために,有限鏡映群の不変式と不変偏微分方程式系について考察を進めた。そして一連の新しい不変式環の基底を発見した。この結果を用いて,一般次元での凸正多面体の大部分に対して,対応する多面体調和関数の空間を具体的に決定することができた。 他の研究主題に関しては,差分方程式の漸近解析とコホモロジー論,分岐理論の逆問題,多変数超幾何関数に付随する捩れコホモロジー論について研究を行い,成果を論文にまとめた。差分方程式の研究については,Gevreyコホモロジー群という新しい概念を導入し、研究が端緒についたばかりである。合流型超幾何関数への応用を含め,これからの大いなる発展を期していかねばならない。
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