研究分担者 |
久田見 守 山口大学, 理学部, 助教授 (80034734)
大城 紀代市 山口大学, 理学部, 教授 (90034727)
内藤 博夫 山口大学, 理学部, 教授 (10127772)
小宮 克弘 山口大学, 理学部, 教授 (00034744)
井上 透 山口大学, 理学部, 教授 (00034728)
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研究概要 |
主に種数が正の代数曲線のk葉(kは奇素数)の被覆曲線上の底曲線上の引戻しでない不動点をもたない線形系の存在及びその周辺について研究した.この研究は従来k=3で得られた結果の拡張を試みたものである. Cを種数h>0の非特異代数曲線,XをCのk葉被覆曲線とし,その種数をgとする.通常の記法に従ってW^1_d(X)をX上の線形系g^1_dの集合G^1_dのJacobi多様体J(X)内の像とする.本研究ではW^1_d(X)の構造について研究した.主成果は以下の定理である(記号は上記のものを踏襲する). 定理.g【greater than or equal】(kh+3k-6)(kh+3k-7)/2,d【greater than or equal】(k-2)|(h+3)/2|-h+1に対しW^1_d(X)は既約かつ被約であり,その次元は2d-g-2である.さらに,既約性に関してはdの評価は最 この定理はk=3の場合には以前に得られた結果と同等である. 定理の証明はCastelnuovo-Severiの評価(すなわち,d【less than or equal】(g-kh)/(k-1)ならばX上の不動点をもたない次数dのペンシルはつねにC上のペンシルの引き戻しである),Fulton-Lazarsfeldの定理(dim W^1_d(X)=2d-g-2,dim Sing W^1_d(X)【less than or equal】2d-g-4ならばW^1_d(X)は既約である),またCoppens-Keem-Martens(Manuscripta Math.77(1992))等を有効に適用することによってなされる. さらにd<g-(k-2)|(h+3)/2|-h+1の場合については一般にはW^1_d(X)は複数の成分をもつが,それらがどのようなものであるかを研究し,部分的な結果を得た.
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