研究分担者 |
池田 敏春 九州工業大学, 工学部, 助教授 (50136032)
久保 富士男 九州工業大学, 工学部, 助教授 (80112168)
三村 文武 九州工業大学, 工学部, 教授 (30039119)
斉藤 香 九州工業大学, 工学部, 講師 (00039124)
加藤 幹雄 九州工業大学, 工学部, 教授 (50090551)
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研究概要 |
N次元有界領域Ωにおける非線形移流拡散方程式系 υ_t=∇・(∇υ-υ∇φ(ν)),ευ_t=Δυ-ν+υ(ε【greater than or equal】0) に対する爆発問題において、次の2点を明らかにすることが本研究の目的である。 1.時間大域解が存在するための初期関数の条件および領域Ωの幾何学的形状について、 2.有限時間で解の爆発が起こるための条件,および爆発時刻での形状について。 Neυmann境界条件を満たす非負解の時間大域的存在に関して、φ(ν)=χ^ν(χは正定数)で2次元有界領域Ωの場合にυ(x,t)の初期関数に対する条件∫_Ωυ(x,0)dx<4π/χの下で時間大域的に存在し、Ω={x∈R^2||x|<L}での球対称解のみを考えるならば∫_Ωυ(x,0)dx<8π/χの下で時間大域的に存在するという結果を得、初期関数に関する条件の中の4π/χや8π/χはTrudinger-Moserの不等式に現れるある指数の半分であるという関係を与えた。球対称解の場合、∫_Ωυ(x,0)dx<8π/χを満たし有限時間にδ関数の特異性を持つ球対称な爆発解が存在するというHerrro-Velazquezの最近の結果と合わせると、8π/χは球対称解が時間大域的に存在するための閾値であることを示している。 Neumann境界条件を満たす非負な球対称解の爆発に関して、ε=0の単純な系でφ(υ)=χ^<υp>(p>0)とφ(ν)=χlog^ν(χは正定数)の場合に考察し、爆発が起こるかどうかは空間次元、p,X及び∫_Ωυ(x,0)dxに関係する結果を得た。 球対称な爆発解の爆発時刻における形状や球対称でない解の爆発についてはこれからの研究課題である。
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