研究概要 |
1.Emden-Fowler型の非線形楕円型偏微分方程式をn次元単位球の内部で考察する。この方程式の解で、n次直交群の閉部分群Gが作用するときに不変なものをG不変解と呼ぶ。球対称解はG不変解である。逆はどうであろうか。Gは直交群の閉部分群なので、単位球面上の変換群になっている。9年度の研究では、次のことが示された。G不変であり、かつ球対称でない解が存在するための必要十分条件は、Gが単位球面上で推移的でないことである。 2.走化性をもつ細胞性粘菌の集合体形成を説明する数学モデルであるKeller-Segel方程式系を研究している。今年度は、Keller-Segel方程式系を単純化した非線形放物型偏微分方程式系について研究を行った。特に、典型的な場合,つまり感度関数が一次関数で空間次元が二次元のときの爆発解の爆発時刻における挙動について新しい結果が得られた。
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