研究分担者 |
市田 良輔 横浜市立大学, 理学部, 教授 (10094294)
藤井 一幸 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (00128084)
白石 高章 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (50143160)
大阿久 俊則 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (60152039)
市村 文男 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (00203109)
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研究概要 |
Hopf^*環が左不変Haar状態をもつとき、Hopf^*環はコンパクトであるという。コンパクトなHopf^*環は変形自己同型をもつことがわかり、Haar状態によるGNS表現により、コンパクトなWoronowicz環に対応することがわかった。これにより、コンパクト群に対応する既知の量子群、たとえば、A_n,B_n,C_n,D_n型の古典Lie群に対応する量子群はすべて、このWoronowicz環のカテゴリーに属することがわかる。 そこで、つぎは、必ずしもコンパクトでない場合の例として量子ローレンツ群を考えてみた。Lie環sl(2,C)はLie環su(2)の複素化と同一視できるので、量子Lorentz群SL_q(2,C)を量子群SU_q(2)のQuantum doubleとして考えることができる。その結果、一般のコンパクト量子群に対しても、このQunatum doubleの方法が適用でき、その特殊な場合として量子ローレンツ群が捉えられることが判明した。さらに、量子包絡環U_q(sl(n,C))のHopf^*環としての定義を与える基本関係式をWoronowicz環の構造を用いて求めたところ、きわめて自然な構造をもつことが判明した。さらに、量子ローレンツ群とこの量子包絡環の間には互いに他を分離する自然なペアリングが存在することがわかり、この量子包絡環の定義が、量子ローレンツ群の双対空間の正則関数を用いた定義と同値なことも判明した。一般に、コンパクトでない量子群の表現は非有界になる。そこで、非有界作用素環を用いることにより、これら量子ローレンツ群、その量子包絡環などはWoronowicz環の枠組みで捕らえれれることがわかった。
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