研究課題/領域番号 |
08640306
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
東海林 まゆみ 日本大学, 理工学部, 講師 (10216161)
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研究分担者 |
竹澤 照 日本大学, 理工学部, 教授 (50059622)
中村 正彰 日本大学, 理工学部, 助教授 (00017419)
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キーワード | capillary gravity wave / bifurcation / Navier-Stokes eguation / stagnation-point flow / spectral method / simulation |
研究概要 |
1.水の波の分岐問題の数値シミュレーション. 2次元渦なし流れにおける進行波の分岐問題を数値計算した。2つの分岐パラメーター(重力定数、表面張力定数)を変化させたときに、どのような分岐解が現れるか、どのような分岐構造をなすかを数値シミュレーションによって明らかにした。ある場合には表面張力係数が負の場合も数値計算し、その一極限としてEulerのエラスティカと同じ解が存在することを発見した。この研究は、渦度を含めた3パラメータ空間での大域的分岐構造を調べることに繋げていきたい。渦度を考慮した分岐問題の定式化、渦あり問題の数値計算アルゴリズムの研究も継続中である。 2.よどみ点流れ問題の数値計算. Childress等が、2次元Navier-Stokes方程式のある種の厳密解からstagnation-point flow問題(簡単な1次元のnonlocalな方程式)を導き、その解の爆発について論じた。彼らは、粘性が十分小さいところでは解が有限時間で爆発することを示唆し、数値計算例を示している。2次元Navier-Stokes方程式のモデルであるから、粘性ありでも爆発があり得るというのは独特の主張である。我々は、この爆発する例と同じ初期条件・より小さい粘性に対し、差分法とスペクトル法の2通りの方法を用いて数値計算を行ってみたところ、両方法ともに爆発せず、滑らかに減衰する結果になった。Childress等の数値計算と異なるところは、定式化を変えた点、境界条件を扱うアルゴリズムを変えた点、である。いく種数かの初期値について数値計算を試みた結果、時間発展にたいし鋭い境界層の発達と減衰という現象のほか、おもしろい現象も見られた。今後の課題は、粘性を0に近付けたときの解の挙動を調べることと、定常解の有無を調べる事である。粘性0の場合のEuler方程式の解との比較という点も考慮していきたい。
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