当研究では、多数の公共天文台の協力を仰ぐことで観測を行なう。現在、綾部市天文館、久万高原天文観測館、かわべ天文公園、西はりま天文台、みさと天文台、美皇天文台、佐治天文台の7天文台に観測していただいている。これに加え、2、3の天文台が今後観測に参加する予定である。現在、観測対象の選定を終え、各天文台では1週間から2週間に一度程度、数時間の観測を行ない、翌日に新天体のチェックを行なう体制がほぼ確立している。 公共天文台にとって、この観測はボランティア的なものである。彼らの協力を引続き得るためには、充分な動機づけと、我々の側からのフィードバックが不可欠である。この面の活動が現状での課題であるといえる。また、各天文台および事務局との連絡網としてメーリングリストおよびWWWを活用しているが、各天文台からのアクセスには、資金的技術的な課題が山積している。この面は一朝一夕に解決することではないが、改善に努力していく。 この観測の動機の一つになっている楕円銀河を取り巻く高温ガスのモデル構築も数値計算コードを完成させ、X線観測との詳細な比較を行って必要な超新星出現率を幾つかの銀河について求めつつある。観測との比較でスペクトルに輝線を形成する光子についてはガスとの共鳴散乱の効果が重要であることがわかったので輻射輸送方程式を数値的に解くコードを作ってその効果を検討し、論文として発表した。
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