研究概要 |
太陽系に近い低質量星形成領域であるカシオペヤ座分子雲複合体に属する暗黒星雲Khav216,L1333,L1358,L394を含む領域を^<13>CO(J=1-0)輝線で、また、雲の高密度部分をC^<18>O(J=1-0)輝線でマッピングした。使用した装置は名古屋大学理学部の4m短ミリ波望遠鏡と、4K冷却のSISミキサ-受信機、バックエンドはバンド幅40MHzで1024チャネルの音響光学型分光計である。グリッド感覚は主に2'である。Khav216の速度は約+3Kms^<-1>、励起温度は7.1K、^<13>CO雲のコアの大きさは0.74pc×0.67PC、総質量は12M_<【of sun】>、く_2の平均密度は9.2×10^2cm^<-3>となる。L1333領域の^<13>CO雲は銀河面にほぽ平行に伸びた、視線速度約-2Kms^<-1>と約+3Kms^<-1>の2個の細長い雲からなり、その中に高密度のC^<18>Oコアが13個埋もれていることが分かった。この領域にはHa輝線星18個と低温のIRAS点源が5個(うち3個はHa輝線星と一致する)見つかった。これらは生まれたての原始星である可能性が強く、この領域では星が活発に形成されていると思われる。IRAS点源の1個はC^<18>Oコアの一つと一致していて、その赤外域のスペクトルから推して、特に若い原始星らしい。そこではC^<18>輝線の幅が約1.6Kms^<-1>(強度0で)と広く、分子流の存在を示唆する。そのC^<18>Oコアは13個のコアのうちでピリアル質量とLTE質量の比が最も小さく、内部運動エネルギーが重力エネルギーに比べて最も小さいコアで星形成が起こり易いことを示す。L358は視線速度の違う3つの雲から成る。その総質量は約2×10^3M_<【of sun】>である。この領域には原始星候補の低温IRAS点源が6個あり、いずれも^<13>CO雲のコアに付随している。これはこの雲で盛んに星が生まれていることを物語る。
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