HHジェットは高速分子流も同様にYSOからのstellar windと密接な関わりがあることが明かになってきている。光度の大きいYSOを励起源とするHHジェットの場合、しばしばoutflowはきわめて活動的である。われわれはHH135-136のSESTによるCO分子輝線観測を行った。HH135-136はHII領域に接するBright-Rimmed Cloudsに存在するHH天体で、距離が2.7kpcにあるにもかかわらずHH1-2と同程度に明るい。したがってintrinsicには全天で最も明るいHH天体と考えられる。我々は高速分子流を検出したが、ジェットよりも広がっており、そのbipolarityは弱く、天球面に対する傾き角は小さいと思われる。また^<13>CO観測から励起源からやや離れたところにclumpの存在が認められたが、その位置は可視ジェットの速度構造などとも合わせて考えると、L1617のようにHHジェットと分子雲が衝突していると考えると矛盾しないことを示した。HH天体自身も、その励起源もきわめてenergeticな天体であり、本研究は将来のX線観測への予備的研究として位置づけられる。また対象的に低質天体からのHHジェットの例としてHH83を光学的に薄いH^<13>CO^+で高分解能観測を行い、励起源の周囲に回転する5000AU程度のサイズのディスク構造やジェットと周囲の物質との相互作用の現場として同程度のサイズの膨張シェル構造も見いだした。
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