研究概要 |
本研究では、系統的な観測が行われていない系外銀河の2次元偏光観測を、本格稼働している偏光撮像分光装置を用いて実施し、銀河研究における基礎的資料である銀河偏光分布を多くの比較的明るい銀河で観測的に求め、世界初の銀河偏光アトラスを製作し、この基礎資料に基づき大規模サンプルでの銀河磁場構造を明らかにするのが、目的である。 銀河偏光の系統的な観測のために、偏光観測で銀河構造を反映する偏光分布が得られる可能性のある銀河として銀河中心部が余り明るくなく、また、背景光の偏光、銀河系内の星間偏光を除去するために、天体観測装置視野内に銀河全体が納まるという条件で作成した偏光観測銀河サンプルについての観測を岡山観測所91cm望遠鏡偏光撮像装置で実施した。UGC4036,UGC4838,UGC7965,UGC8810,UGC9943,UGC10897,NGC3646,NGC1068,NGC1275,M82等の多くの銀河の偏光データを取得し、得られた偏光データをCD-ROM化し資料としてまとめた。偏光データを解析するための画像処理ソフトウェアーは新たに開発し、得られたデータの解析に用いている。 偏光観測の継続的発展を目指しての研究を遂行し、すばる望遠鏡での偏光観測に関する研究を行い(文献1:Ebizuka,Iye,Sasaki 1998,Applied Optics,137,1236及び文献2:Sasaki et al.1997,SPIE 3112,267)、その可能性を明確にすることができた。
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