研究概要 |
BRST対称ななゲージオン形式は,これまで,電磁場とYang-Mills場に対して作られていた.今年度は以下のように,おもに,超重力理論に適用するための研究を行った. 1.超重力に現れるグラヴィティーノ場はスピン3/2のRarita-Schwingerゲージ場とみなすことができる.平坦な時空におけるこのゲージ系に対するBRST対称なゲージオン形式を構築することができた.電磁場に対するゲージオン形式では,タイプIとタイプIIといわれる二つの理論形式が存在したが,スピン3/2ゲージ場に対しても同じような二つのタイプの形式が存在することがわかった.これに関しては現在発表準備中である. 重力場を背景場として扱っても同様なゲージオン形式を構築できることもほぼ確実になった.これについては来年度の研究で明らかにしていくつもりである. 2.超重力には反対称テンソルゲージ場というゲージ場合が現れる.平坦な時空における反対称テンソルゲージ場に対するゲージオン形式を構築することができた.これをBRST対称な形式にするには,それ自身がゲージ場であるFPゴ-スト場を正しく取り扱わなければならない.こにについてもまもなく完成する予定である. また、背景重力場の場合への拡張もそれほどの困難はないと推定する.これに関しても来年度で明らかにする予定である. 3.BRST対称なゲージオン形式では,複数のBRST電荷を現れる.ゲージ構造を調べるためには,このBRST代数の表現論が重要になってくる.そこで,BRST電荷が2個ある場合のBRST代数の表現論を調べた.そこではBRSTシングレットに対する中西の定理が重要な役割を果たすことがわかった(発表準備中).
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