研究概要 |
1.超対称ゲージ理論: 4次元N=2超対称ゲージ理論に関して、サイバーグ-ウィッテン等の厳密解を用い解に現われるパラメーターを臨界値に合わせる事によって超共形場の理論を構成する事が出来る。江口は堀、伊藤、梁と共に種々のゲージ群や物質場の結合の場合を調べ4次元N=2超共形場の理論を決定しその臨界指数を求めた。また,江口は堀と共に4次元N=2超共形場の理論に関してそのADE分類を提案した。 2.重力的量子コホモロジー: 江口は堀、Xiongと共にファノ多様体(第一チャーン類が正のケーラー多様体)を対象空間Kとして持つ位相的シグマ模型を調べその構造を研究した。位相的シグマ模型はリーマン面から対象空間Kへの正則写像の空間のコホモロジー,即ち量子コホモロジー,を与える。位相的シグマ模型に2次元重力が結合している場合には重力的量子コホモロジーが得られる。江口、堀、XiongはKが複素射影空間、グラスマンと太陽体、有理局面の場合にその動的量子コホモロジーを調べ、それらがあるスーパーポテンシャルの留数積分を用いて表わされる事をしめした。更に、ファノ多様体に関して1種のミラー現象が存在しそれが含む有理曲線の数がミラー多様体上の周期積分で表わされる事を示した。 3.E_6特異点: 江口は梁と共にE_6特異点の新しい記述法を議論した。新しい記述法ではE_6特異点は1変数の多項式の平方根の形を持つポテンシャルで表わされ、対応する位相的場の理論の相関関数は3変数を用いた標準的なE_6特異点の記述によるものと一致する。
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