研究課題/領域番号 |
08640372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・核・宇宙線
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 圭二 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10011545)
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研究分担者 |
国友 浩 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授 (20202046)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | T-双対性 / 巻き付数に共役な空間 / 宇宙遷移 / Big clunch / I型超弦理論 / I'型超弦理論 / Orientifold / D5-brane / Instanton |
研究概要 |
1.弦理論に基づく宇宙の構成を目的とする研究。宇宙がトーラス空間にコンパクト化している場合、弦理論は標的空間双対性、あるいはT双対性と呼ばれる特性をもつ。この結果、宇宙はBigbangの始点以前に大きな宇宙空間が存在し、それが一旦Planckサイズに収縮(Bigclunch)した後、現在の宇宙に達するというシナリオが存在する。ここではBigbang始点時の特異点は回避出来る。Bigbang以前の空間は、紐の巻き付き数(Winding number)に共役な空間である。現在の空間は紐の重心運動量に正準共役な座標空間であるので、Bigbangの始点時には座標の組み替えが起こる。これらの事情を考慮して(2+1)次元宇宙の時間発展の具体的な解を求めた。また、一方ではC=26臨界次元弦理論において、温度効果を考慮してBigbang時の前後での宇宙遷移と、signalの交換の可能性の可否を検討した。 2.I型超弦理論にT双対なI'型超弦理論において散乱振幅生成関数を構成し、I型超弦理論における無限大の相殺が、I'型超弦理論ではどのように実現されているかを考察した。その結果、I'型理論においては、orientifold plane上に境界を持つdisk振幅が正しくtadpole振幅とそれに伴う発散を相殺してくことを示した。 また、I型超弦理論におけるD5-braneの基底状態を記述する位相場の理論を構成し、それを用いてD5-braneの第2量子化について考察した。その結果、数学で知られていたインスタントンのモジュライ空間のハイゼンベルク代数が、丁度D5-braneの生成消滅演算子と解釈できることを示した。
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