研究概要 |
π中間子の関与した核反応の理論計算を行った。 ・陽子と原子核の衝突に伴い、負電荷のπ中間子が発生する(p,π^-)反応は、大運動量移行反応であるため、いままで多くの実験結果が得られていたが、理論計算は困難であり、反応機構は良く理解されていなかった。私はこの(p,π^-)反応のエネルギースペクトルの計算を歪曲効果まで含めた2核子模型を用いて行い、原子核模型としては殻模型を用いることでf_<7/2>核でのインディアナでの実験結果を再現するのに初めて成功した。またデルタ領域の入射エルメギ-領域でも、理論計算を行い、高スピン状態が敷居値付近よりも更に選択的に励起されるであろうことを示した。 ・電子散乱の研究より軽いp-shellの原子核では原子核の芯偏極効果がσ・τ型の形状因子に大きな影響を与えることが知られている。この芯偏極効果がπ中間子の荷電交換の反応断面積とアシンメトリーに対してどの様な効果を及ぼすかをデルタ領域で調べた。 ・上記のπ中間子の荷電交換反応に対する芯偏極効果がGeV領域、特に600MeV付近で顕著に見られることを示した。(この計算は現在進行中)
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