研究概要 |
・原子核の構造計算等を行う確率論的な方法である補助場モンテカルロ法を多次元化することで、励起状態の理論計算を可能にする新しいアルゴリスムを提案した。この方法では試行関数を複数個準備し、虚時間依存の固有値方程式を解くことで、励起状態まで扱う。この方法の有効性を、リプキン模型と対相互作用模型で試した。(論文掲載済み) ・深く束縛されたπ中間子原子での、原子核の四重極変形効果の理論計算を^<175>Luの1s,2p,3d状態について行った。四重極変形効果はπ-原子核ポテンシャルの詳細に敏感であること、さらに3d状態に関して原子核の変形効果が測定にかかる可能性があることを示した。(論文掲載済み) ・炭素原子核と陽子との衝突によるπ中間子発生反応について、その入射エネルギー依存性を2核子発生模型で計算した。前方での断面積の理論値はデルタ共鳴付近で緩やかなピークを示すこと、アシンメトリーは^<12>Cの場合、エネルギー増加にともなって、符号をかえることなどを示した。(論文掲載決定) ・GeV領域での^<13>C核でのπ中間子の荷電交換反応に対する、芯偏極効果の理論計算を行った。標的核が偏極している場合の荷電交換反応のアシンメトリーには、散乱振幅のσ・τ部分からの寄与が大きい。この部分について、芯極効果が顕著であることはよく知られている。π-核子相互作用のスピンフリップ項の大きいエネルギー領域で、アシンメトリーと反応断面積の理論計算を行った。(論文準備中)
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