研究概要 |
中世子星においては一般相対論的効果が無視できないし,少なからず回転している。このように,相対論的効果及び回転の効果が同時に関係するような系で、星の振動が通常のものと同じであるか,あるいは,どのように異なるのかを明確にし,論文としてまとめた。 (1)相対論的な星では重力波の放出を伴うため,星の振動の計算を困難にしている。そこで,重力の変動をすべて無視するという簡単化の近似がある。その場合に,例えば,振動の周期の計算において,どの程度の誤差が生じるかという問題を研究した。簡単な星のモデルに対し,近似法を用いたものと厳密な計算法での結果を比較した。その結果,その近似を用いても定性的な振るまいが再現されるとともに,値において数十パーセントの誤差である事がわかった。 (2)ニュートン重力のもとでは,回転により,ある種の振動運動が可能になることが知られている。このようなモードを一般相対論的な枠組みで研究した。回転を摂動的に取り扱い,回転の一次の効果を取り入れた。振動はsingulareigen-value problemを解くことにより求められる事がわかった。その結果,流体の摂動は背景の平均的な流れと一種の共鳴を起こす条件で振動数が決められている。一様な回転速度でも,その振動数はある範囲の連続スペクトラムになることがわった。 (3)さらに,これまで研究してきた,回転の一次の効果まで考慮した星の振動の研究成果を,supplementにおいて包括的な取りまとめを行った。
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