研究概要 |
1) ミューオン触媒核融合におけるミュオン付着率の新しい計算を実行した。dtμ分子内核融合dtμ→α+n+μ,(αμ)+nにおけるαμ初期付着率(ω^0_S)について、従来の計算における3つの近似(sudden近似をとること、dtμチャネルとαnμチャネルとのexplicitな結合を切ること、αn間の角運動量l=2をl=0と近似すること)を止めたsophisticatedな3体計算を行なった。しかし、結果は従来の初期付着率をやや増加させた(核力入りで、ω^0_S=0.92%から0.94%へ)。このことは、石田等の報告によるミュオン付着率ω^<eff>_SやαμのX線強度の新しい測定に、より合わない傾向となり、ミュオン再活性化率Rの値が従来の理論値よりかなり大きいのではないかという最近の推測をsupportしているように見える。 2) 理研-ラザフォード研の共同になる超高強度ミューオンビームを用いる将来の実験で、ダブルミューオン分子が初めて発見される可能性がある。これに先駆けて、非断熱的4体計算により、ダブルミューオン水素分子のエネルギーレベルを予言した,xyμμ,x,y=p,d,tのすべての分子について計算を行なった。 3) ttμミューオン分子イオンのエネルギーレベルと分子内核融合率の計算をおこなった。また、t^3Heμ分子イオンのエネルギーレベルと崩壊幅の計算を行なった。
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