研究概要 |
陽電子ビームとして,住重試験株式会社(愛媛県.東予市)の小型サイクロトロンを用いた陽電子ビーム施設を利用した。この施設では,サイクロトロンからの18MeV陽子ビームをアルミニュウムターゲットに照射し、Al(p,n)反応によって生成されるアイソトープ^<27>Siからのβ崩壊からの陽電子ビームとして用いる。陽電子はタングステン減速材によって減速されて、エネルギーと方向がそろった高品質のビームとなる.β崩壊による陽電子は偏極している。本年度は,陽電子ビームの偏極度を測定することを目標とした。陽電子の物質中および電磁場中でのスピンを含めた運動をモンテカルロ法によって追跡するシミュレーションプログラムを開発した。また.陽電子の偏極度測定装置を製作して,偏極度の測定を行い,偏極度(38.1【plus-minus】1.4)%という結果を得た。シュミレーションプログラムによる計算と比較して良い一致を得た。
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