研究課題/領域番号 |
08640385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
薮 博之 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (60202371)
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研究分担者 |
久保 謙一 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (50013389)
鈴木 徹 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (20175409)
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キーワード | 散逸効果 / 高エネルギー重イオン衝突 / カイラル対称性 / 非線型模型 / スピン偏極 / クォーク模型 / 渦 / スピン模型 |
研究概要 |
1.前年度に得た研究成果:Caldeira-Leggettの方法に基づき散逸効果を含む場の方程式を得る一般的方法および中性パイ中間子による不斉カイラル凝縮(DCC)の崩壊過程への適用、を論文にまとめ出版した。 2.この方法を荷電パイ中間子凝縮の場合に適用し、その崩壊過程を計算した。荷電DCCの場合は、パイ中間子放出の他に光子放出が重要な崩壊過程と考えられるため、電磁場を含む非線形シグマ模型に対する拡張をおこなった。その結果、光子放出は漸近的も非線形であり、その効果は漸近領域では小さいことを示した。また、パイ中間子放出に関して解析的・数値的計算をおこない、中性の場合とほぼ同様の結果を得た。 3.一般の不安定な凝縮系の散逸過程では渦励起が重要である。本研究の応用として、スピン系の渦に働く力について有効理論にもとづく研究を行い、その位相力学的な性質をあきらかにし、論文として発表した。また、アルカリ金属原子およびポジトロニウムのボ-ズ・アインシュタイン凝縮への応用も研究中である。 4.高エネルギーハドロン衝突により生成されるハドロンのスピン偏極は、クォーク組み替え理論により定性的に説明できることがしられている。この理論を取り入れたウォーク・パートン模型を構築し、定量的にスピン偏極を扱う模型を定式化し、数値計算により偏極量をもとめ、実験結果と定量的な比較をおこなった。この成果は論文として発表した。 5.偏極重陽子散乱における仮想1・2光子によるスピンに依存した励起過程について研究し、集団励起の理論および和則の方法をもちいて結果を説明した。結果は国際会議で発表した。 6.散逸効果が強度関数におよぼす効果ならびに核子間相互作用への影響に関する前年度の研究成果が論文として出版された。
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