研究課題/領域番号 |
08640385
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
藪 博之 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (60202371)
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研究分担者 |
久保 謙一 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (50013389)
鈴木 徹 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (20175409)
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キーワード | 散逸効果 / 高エネルギー重イオン衝突 / カイラル対称性 / ボーズ・アインシュタイン凝縮 / 渦 / 超流動 / スピン偏極 / クォーク模型 |
研究概要 |
1) ワークショップ「量子多体系における動的散逸過程」の開催。本年度は本科研費の最終年度であり、研究計画にあるように、研究成果を広く知らしめ議論し新たな研究を発展させる目的で表記のワークショップを2月16日(火)に東京都立大学国際交流会館で行った。本研究は物理学の様々な分野に関係しているため、原子核・素粒子・宇宙・物性の各分野から4人の講師を招き、動的散逸過程の問題について現在の研究の問題点を議論すると共に、将来の発展について分野を越えて議論した。また、本研究による研究結果についての評価を受け、他の様々な分野への応用に関して情報提供を受けた。 2) 前年度に引き続き、荷電パイ中間子凝縮による荷電DCC状態の研究を行った。前年度の結果と合わせ、結果を国際会議で報告した。この会議の報告は近く出版予定である。また、この結果をまとめた論文を発表する予定である。また、DCC状態の崩壊過程に対する温度効果について揺動散逸定理の見地から研究をはじめた。 3) 量子凝縮体の渦の運動に対する散逸効果の研究。超流動He3の渦の運動には、散逸効果が重要である。本研究による凝縮状態の取り扱いを超流動He3の渦状態に適用し、渦に働く散逸・非散逸力の導出を行った。この結果をまとめた論文が、近く出版される予定である。また、この研究を原子のボーズ・アインシュタイン凝縮に応用する研究を開始した。 4) 高エネルギーハドロン衝突により生成されるハドロンのスピン偏極を、クォーク組み替え理論に基づいて研究した結果を国際会議で報告した。この報告は近く出版予定である。また、相対論的クォーク模型に基づいてスピン・軌道力を評価しスピン偏極量を評価する研究を開始した。
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